2017年01月20日

和菓子の制作 完成

かなり時間を置いての記事になりますが・・・
和菓子が完成したものを書きたいと思います。

レジンを使った和菓子も、型から外してみると「お〜!!!」というような声があちらこちらで上がります。

前回アップした記事の一番初めの写真の完成作品がこちらです。

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「夜空ようかん」

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いつも、生徒作品は和菓子作品集にまとめて展示をするように心がけています。作品と作品に込めた思いや地域のどのようなよさや美しさを感じたのか・・・という生徒の声も一緒に展示します。

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生徒の「学び」を地域に住む人みんなと共有して、この地域をもっと知ってもらったり、好きになってもらうことが最終目標です。ですから、和菓子が商品化されると「生徒のコメントカード」も一緒に商品と渡すように地域の菓子店にお願いをします。

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和菓子を食べて、生徒の感じた地域の四季の移ろいや美しさを感じてもらえたら最高に幸せなことです。
地域みんなで「感性」を高めていく感じ・・・とでも言うのでしょうか。


しかし、子供といえど、すげーセンスのいい作品つくるな・・・と毎回驚きます。

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上二つは男子生徒の作品です。素敵な感性ですね。


生徒が作っていれば、どうしても私も作りたくなってしまうので、たまに、生徒の使った粘土の切れ端や余ったレジンを使って和菓子もどきを作ります。

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思いつきで作るので、授業的にはダメなのですね・・・(汗)

A表現(2)(3)の題材ですから・・・。


posted by 田中真二朗 at 20:50| 秋田 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月22日

和菓子の制作 途中経過ー流し込み編ー

流し込み編

透明感ある作品を作りたい人はレジンを使います。
クリスタルレジンというものを使っています。
型に流し込んだり、紙コップ(内側がツルツルなもの)を使ったり、シリコンでできたお弁当用の仕分けカップに流したりと色々とできます。

生徒が自分で持ってくる型もあります。最近使用頻度が高いものは、球体の氷が作れる容器です。
綺麗なドーム型の作品ができます。また、イメージ通りの型がない場合h、自ら型を作ります!

油粘土を使って、雌型を作るんですね!これもおもろい!

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市販のシリコン型、長方形です。これはあまり売ってません。
お弁当用は、柔らかいので、レジンを流し込むと形が少し崩れます。

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完成した和菓子を入れる容器のふた。これも使えるんです!

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油粘土で型を作って流し込んでいる作品、そして紙コップに流した作品。

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紙コップに流したあと、硬化して取り外すとこうなります。↑これ。

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完成した作品、その後は生徒自らが写真を撮影する。これは毎年恒例です。
一番見せたい部分、構図、装飾など、色々考えて撮ることになります。
これも勉強ですね。

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そして作品コメントカード。
これに生徒の学びが詰まっています。
どんな思いで作ったのか、どう感じたのか、それをどう工夫したのか。

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いよいよ、鑑賞会です。

目的に合わせて制作した、西仙北の和菓子。
作者は地域のどんなよさに気づき、どのような創造的な工夫をしたのか、鑑賞します。
目的と関連させて、批評的に見ることも課題として出します。

posted by 田中真二朗 at 18:48| 秋田 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月19日

和菓子の制作 途中経過

後期も慌ただしく始まり、今日は3年生実力テストでした。

国研の公開準備も始まり、全造連の発表準備などちょっと・・・大丈夫か?とも思いながら毎日を過ごしています。


地域の菓子店「和栄堂」さんとのコラボ和菓子販売中です!

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ずらっと揃うとすごい迫力です。
また、前回の和菓子販売の際から、このような紹介カードも一緒に渡すようにお願いをしています。

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デザインした作者が地域のどんなよさに気づき、どのように表したのかについてのコメントです。
デザインしたものをただ売るのではなく、授業の目的を達成するためのコメントカードなんです。
中学生の視点で捉えた地域のよさや美しさ。それを和菓子を食べることによって、改めて地域の方々に感じてもらおうという目的で授業がスタートしています。
中学生の思いや、気づき、発見を地域の人みんなで共有できればいいなと考えています。

さて、和菓子の授業。

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使っている粘土はスーパーカルモという軽量粘土とファンシークレイという樹脂粘土、そして樹脂です。樹脂は流し込みこみの作品で使用します。扱うのはもちろん教師ですが、配合のみやってあげて、あとは色付けしたりするのは生徒です。

今日は流し込み以外の作品の途中経過です。

生徒それぞれのイメージに合わせて、軽量粘土か樹脂粘土を選択して使います。樹脂粘土は和菓子の練り切りのような質感だと思います。薄く伸ばして乾燥させると、下の色が透けて見えるような状態になります。

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上の作品は、グラデーションで表現したあとに、薄く伸ばして他の粘土と合わせたものです。
とても美しいです。作者はグラデーションを作るのに長けており、グラデーションマスターの称号を与え、他の生徒の先生として指導もしてくれました。大したもんだ!

私は、樹脂の配合などがあり、あまり手を離せないもので・・・各生徒をマスターとして任命し、技の伝授に協力してもらます。苦肉の策です・・・。ですが、いい感じで回っております。

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下の色が薄く透けている状態。まだ、乾いていないので白っぽいですが、一日経てばより、下の色が見えてきます。今日だけで、彼は同じような作品を3つ作りました。包み方にこだわって、ひたすら制作です。

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イメージ通りにグラデーションで包み込めなかった生徒は、直接色を塗るという荒技に出ました。
これもありだと思います。

今日は、素敵な発見がありました。

樹脂粘土の上に、パステルで色をつける生徒!

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そんなんありか〜!?と思いましたが、なんとも美しい!
定着させるのに、どうするか考えものですが、新たな「美」に出合えて嬉しくなりましたし、作った生徒自身もご満悦でした。

毎年同じ題材に取り組んでいますが、子供が違えば作品も制作過程も違います。毎回、新たな発見があるので楽しいです。

次のアップは、樹脂の流し込み作品について記します。
なかなか面白い作品ができそうです。


ー告知ですー

第69回全国造形教育研究大会宮城大会に参加します。
http://www2.sendai-c.ed.jp/~renraku1/zenzoumiyagi_saishu_88.pdf
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「地域や社会とのつながり」というテーマで実践を発表します。

ご参会される方がおりましたら、お気軽にお声がけください。


再度の告知

11月22日 公開研究会を行います
国立教育政策研究所 研究指定校事業【教育課程 美術】
公開研究会を行います。

11月22日(火)次の日は勤労感謝の日でお休みです。
詳しくは本校のホームページをご覧ください。これまでの研究についてもリンクが貼られております。
http://www.edu.city.daisen.akita.jp/~ns-nishisenbokutyu1/kenkyuzigyou/kenkyuzigyou.html

研究主題 
「自ら表したいことを見付け、豊かに表現する生徒の育成」 ~「A表現」と「B鑑賞」の相互の関連を図った授業改善~

研究授業後、国立教育政策研究所研究開発部教育課程研究センター教育課程調査官 東良 雅人先生の講演もございます。
「育成する資質・能力と学習内容との関係を明確にした授業づくり」 -子供たちが自分の中に新しい価値をつくりだす創造活動―

お申し込みはこちら⬇︎です
H281122 2jiannai_.pdf

どうぞ、よろしくお願いいたします。



posted by 田中真二朗 at 22:34| 秋田 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月02日

和栄堂×西仙北中 和菓子のコラボ第4弾 完成!

昨年から、地域のお菓子屋さん「和栄堂」さんと美術の授業でコラボレーションしている第4弾の和菓子(試作)が完成しました!

中学校2年生の美術の授業では、地域のよさや美しさを、日本の伝統である和菓子にこめて表現する題材に取り組んできました。この地域の自然の美しさを改めて見つめ直し、季節の移ろいや季節に咲く花、気候などを生徒の感性で捉え直し作品にしていくものです。

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3年生の井上さん(制作時は2年生)が制作した「朧−おぼろ−」 ※右の作品

「この作品は、西仙北の夜空をイメージしてつくりました。空の色を鮮やかな紫色にして、星を金粉で表しました。中の色を黄色にした理由は、太陽をイメージしました。夜空が太陽を包み込むという感じにしました。西仙北の夜の月はとてもきれいなので、月を大きめにつくって印象に残るようにしました。一番頑張ったのは、包み込む生地の色です。」

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井上さんの作品は「練り切り」でつくるイメージでしたが、作品のような色を出すことが非常に難しく、今回は、このような形で再現していただきました。
和菓子を切ると・・・なんと言うことでしょう!
井上さんがイメージしていた「太陽」でしょうか?美味しそうな栗が一粒そのまま入っています!
栗の上品な甘さと香りが口の中で広がり、秋を感じさせてくれる、そんな和菓子です。

この和菓子は、立志祭当日(10月9日)からの販売となります。
立志祭でも販売いたしますので、お楽しみに!!!限定40個です!



posted by 田中真二朗 at 13:23| 秋田 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月17日

久々の授業記録2 創作和菓子の授業

和菓子の実践は、私が大切にしている題材の一つです。
毎年毎年、子供たちへどのように和菓子と出合わせるか・・・悩みながら取り組んできました。

日本の伝統文化としての和菓子を知ってもらいたい。日本人の持つ繊細に季節を感じる感性を引き出させたい。そして何よりも、子供たちの暮らす地域(身近なものやことへの関心)のよさや美しさを感じ取ってもらいたい。こんな思いで授業をマイナーチェンジしてきました。

和菓子というものは、こういうものだ・・・というプレゼンから始めた導入は始めの頃のものです。10年も前のことでしょうか。学習指導要領にも教科書にも載っている題材でもあり、全国各地で行われる人気の題材だと思います。身近な自然を省略や強調、総合化するなどして形や色に置き換え一つの和菓子という作品に詰め込んでいく過程。この過程には日本人の感性を高めるしかけがたくさん隠されていると感じています。

浮世絵の鑑賞や模様の授業を経験しながら、「和」ってなんだろう?という疑問を持ち続けながら和菓子の題材で自分なりの答えを見つけられるように授業を構成したり、いろんな角度から導入の方法や発想や構想の方法を試してきました。

今年は・・・どうしたか。

ここ最近、学校での学び(他教科の学びも含めて)を関連づけて美術を通して学んでいくことに興味があります。
社会科での歴史などの知識と関連させる、理科のスケッチや実験と関連させるなど、美術を介すと面白いし、疑問も湧きやすい、そこからも他教科への知的好奇心を高められないか・・・そんなことを思いながら、学校に掲示されてある様々な学習の成果物を眺めています。
5月に目に止まった、国語科で行った「随筆」作品。清少納言の「春はあけぼの・・・」というものです。
清少納言のように、自分なりに感じる「季節の美しさ」を言葉として表現していくものです。子供たちの作品を読んでいくと、感性豊かに季節の移ろいを感じ取り、自分の言葉で表現しているではありませんか。さすが、国語科!こんなに感じ取ることができるのか!(子供たちに失礼だけど)と感動しました。

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そうだ!この随筆を和菓子の導入に使ってみよう!とピンときました。

和菓子授業の前段階では、江戸の文化について浮世絵(リプロダクト)を秋田美大の尾澤先生と共に授業をし、その後、秋田県立近代美術館で浮世絵や判じ絵、庶民の遊び心を感じる鑑賞授業をしました。日本の文化を知る第二弾、世界と日本の模様についての授業。地域の自然(ここでは身近な自然の形)を感じ取りながら、その形を省略したり、強調したり総合化するなどしてオリジナルの判にしました。(消しゴムハンコ)
これらの判を使って、生徒自ら選択した生活用品に、目的を設定して模様を考える授業を行いました。
(これは後日またアップします)

さて、和菓子の題材です。

今年の初めに訪問した水上力さんの情熱大陸をみんなで見ました。
和菓子への情熱、日本文化の伝承と新たな文化創造への挑戦。職人としての心構え。和菓子作りは格闘技だ、という言葉。
生徒は様々なことを感じたことだと思います。水上さんのIKKOANの作品集には生徒も度肝を抜かれてました。季節を72に分けていたという事実。そんなに繊細に季節を見ているのか・・・という問い。

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和菓子を作る上で一番大切なのは、自分の「感性」です。季節の花や自然現象を自分のフィルターを通して発見し美しいと感じたり、いいなと思ったり。こうした過程を経験することで、これからの人生ちょっと豊かに過ごせるのではないでしょうか。

自分の住む地域には、どんな花が咲くのだろう。今の季節はどんな気候だろうか。特産品はなんだ?この時期の旬な野菜は?などなど、これまでの経験を生かし、また友達との会話を参考にしながら新たな視点を得て、じぶんの地域を見つめ直していきます。

次の時間、実際に和菓子を試食します。授業でお菓子を食べられる!というだけで生徒のテンションはMAXになります笑
まずは、匂い、そして見た目、切った感触、食べた時の舌触り、味。それぞれに生徒から感想を述べてもらい黒板に板書します。そうすると「感覚」を使っていることに気づきます。「そう、和菓子は五感を使った芸術なんです」というと「お〜!」

「あれ?聴覚は?」

一斉に和菓子に耳を傾ける生徒、そして爆笑。

「和菓子の名前じゃない?」と勘づく生徒がいたりするものです。「その通り!」
耳から聞いて、いろいろイメージできる名前をつける、これも和菓子を作る上で重要な要素となります。

そして、和菓子のデザインを構想する段階に入っていきます。
随筆を参考にしながら季節を決め、考えていく生徒。

1年生の時に行った有名絵画の未来を予想した際に使った画集を見て参考にする生徒。

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図鑑や様々な資料をもとにイメージを広げる生徒。

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和菓子の雑誌を見て、参考になるものを探す生徒。

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実際に粘土を触りながら、こんなことができるかも!と考えていく生徒。

実に多様です。だから、一斉の学び合いというのは行わず、学びたければ自由に動いて学びに行け!という感じで授業を進めています。一人でやりたい人もいれば誰かに聞きながらやりたい人もいます。みんなんでワイワイ話しているうちに気づく生徒もいます。授業のめあてがあり、生徒がやってみたい!と思っていれば、授業形態を気にせずとも勝手に学んでいく姿が見て取れます。もちろん、悩んでいる生徒、Cの段階の生徒を見とって「指導」を入れていく時もありますが。

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今年度の和菓子の導入。
いつも悩む生徒がたくさんいるものですが、なんかすんなりと自分の作りたいものに向かっていく感覚がありました。

どうしてだ?

表したいものを見つけることができない生徒がその年その年でいるのですが、今年は・・・「どっちにしようか迷ってます」という言葉多く聞きました。表したいものがあることが前提で、それらを選ぶことに迷う生徒が多くいました。

多分・・・
1 毎年行う実践。廊下には前年度の生徒作品が並びいつでも作品を鑑賞することができたこと。特に、2年生の清掃区域に和菓子が並んでいたことがそうなったのか。

2 職場体験で入った地域和菓子屋で実際に生徒デザインの和菓子を製作したこと。販売されることが通年で行われることで意識したか。

3 前回から続く日本の伝統文化の授業の積み重ねか。

生徒にアンケートをとって聴いてみたいと思います。


制作の模様は後日アップします。




posted by 田中真二朗 at 11:35| 秋田 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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