2022年10月29日

2022【造形実験について】前編

前のアップは4月でした・・・。今年は、本当に忙しかった・・・。忙しかったというより、学校が変わったことによってこれまで通りに行かない
ことが多くあり、ほぼほぼ全て一からやらなければいけない・・・これが結構辛かったな〜と今振り返ると思います。
でも、学校が変わり、新たな出会いもあるし、新たな気持ちで授業を考えることができたので、それはそれでよかったです。
「なぜ、この授業をやるのか?」

「目の前の子どもにとって本当にこの授業は必要なのか?」

いつも通りにやってたらこんなこと考えずにやってしまうと思いますが、「常に」このことを考えながら授業をしていく必要があると思っています。

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今年になって、コロナ前のようにいろんな場所でお話をさせていただく機会が増えてきました。大変ありがたいことです。GIGAスクールもすでに「当たり前」にことになってきました。ほぼ全ての授業でICTを活用した授業がなされてきた感じです。
だからこそ、美術の授業、従来通りの授業でいいのか?と問いたい。

作品づくりが主流の授業で本当に資質能力が育つのか?

どうしても、「作品をつくらせる」ということ行きがちな美術教師(私も含めて・・・)。
みなさんもそうですよね?

でも、そうではない授業(作品をつくろうとしない授業)でもいいのでは?と考えています。
以前にもご紹介した「造形実験」という授業です。

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前回、造形実験をやってみて思ったのはこういうことです。結局、テーマが決まっているけど表現方法は自分で自由に選択できるよ・・・・的な授業でした。
当初の思惑とはちょっと違ったものとなってしまったのです。
これは、初めに書いたように、どうしても「作品をつくらせなきゃ」といういわば刷り込み的な思考があったのかもしれません。
ですので、今回は、より造形遊びの要素を強めるといいますか、より探究的な要素を強めた授業にしたわけです。

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パワーポイントを活用して、毎時間の記録をパワーポイントにまとめてあります。
これは埼玉大学附属の小西先生の枠を使わせてもらっています。
この時間やるべきこと、やってみての感想、使ったもの、次の時間のこと などの内容です。GIGA始めたばかりということもあり毎時間書き込むだけでも時間が必要です・・・。でも、諦めない。いろんな場面で使わせて慣れてもらうしかありませんからね。毎週曜日を決めてタイピングデーというものを作りました。ICT委員会というものも!年一回、タイピング王決定戦も行いました笑。

それはいいとして、毎時間の記録を残すことは本当に重要だと思います。自分の学びを実感することにも繋がります。
デジタルポートフォリオっていうやつです。写真でも動画でも残せますからね。非常に便利です。

これまでもアナログでやってましたが・・・結構大変なんですよねあれ。写真印刷して渡して・・・・タイムラグもあるしね。

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これくらいの文量なら書けると思いませんか?慣れてないので、書くことも面倒がって少ない感じもします。慣れると結構書いてくるものです。
ちょっとした考えでもメモ程度で残しておくと、自分の思考を俯瞰してみることもできますしね。

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この生徒は、「緊張」と聞いて、自分が一番緊張するであろう「注射」を選択しました。
1時間目は平面で表す。
2時間目は立体で表す。
3時間目以降は自分に合った方法で表す。という流れで進めていきます。

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平面で駐車する瞬間を表現したものを、今度は立体的に表そうとしていますね。腕の端をウネウネしてさせて緊張感を表そうと工夫しています。注射器をリアルにすることでより緊張感が出せたとも書いてあります。

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この4時間目から作風がガラッと変わりました。
「緊張」という捉えを俯瞰して考えてみたようです。身近にある「緊張」というものをテーマに、子供っぽく大胆に表現したと書いてあります。そして、作りながら「緊張」について考え、人によって感じ方も違うことがあると理解したようです。

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5時間目 さらに変化が起きます。作りながらどんどん「緊張」がわからなくなってきたと書いています。わからないながらも、「緊張」の概念を色や形で抽象的に表そうと試みています。紺色の道は永遠に続いていくこと、緑の藁は緊張の渦とのこと。
振り返りでは「完成のない作品作りたい」と書いています。作りながら自分で「緊張」の解釈を楽しんでいるようです。
いよいよ実験ぽくなってきました!

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6時間目 もうすでにコンセプチュアルアートになってきました。包み隠すことによって「緊張」を感じさせるようなものをつくり上げました。
この経験から、多様な材料に興味を示したようです。

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7時間目 制作の最終段階です。
床に触れるか触れないか・・・という緊張感を表しています。長さを調節しながら何度も何度も作り替えながら試行錯誤していました。
ここで、緊張のイメージを表すことが分かったようです。さらに、記録写真にはないのですが、平面の紙を縦にしてそれをカメラで撮影しながら見えるか見えないかの瀬戸際を見せようと頑張っていました。映像表現にまで発展しながら、表現の可能性を探っていました。

造形的な視点を常に考えながら表現し、鑑賞し、考え自分なりの答えを出そうとしていました。
共通事項について、実感を伴いながら、また、表現と鑑賞を行き来しながら造形的な味方・考え方を高めている姿です。

この後は、2時間、プレゼンタイムとなります。このパワーポイント使って説明してもいいですし、新たに自分でスライド作って説明してもいいことにしました。

後編ではもう一人の実験過程を紹介しながら、この造形実験について考えていきたいと思います。









posted by 田中真二朗 at 17:07| 秋田 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術の授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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