学校を引っ張っていくという気持ちも芽生えますし、委員会活動や部活動などでも先頭に立ってやらなければいけません。
自分を変えてみよう!という気持ちは誰でもあるはずですが、特に3年生に進級する時こそ思いが強くなると感じています。
そんな時期の「新たな一歩を踏み出す靴」という題材。
新しい一歩を踏み出す時、どんな自分になりたいですか?と問いかけて始まります。
しかも、今回は「紙」しか使ってはいけないという条件付きです。
その前段階として「造形あそび」ではないですが、「紙」を様々な行為で変容させるワークを入れています。
「紙」は普段の生活では何かを書いたり、読んだりするものです。しかし、この素材の本当の凄さを知りません。
建築に使われていたり、物を運んだり、古来から様々な知恵によって「紙」は進化してきました。
【一つのものから新たなものを生み出すこと】
この考え方は是非3年生に知ってもらいたいことです。
学校教育はこれまで、みんなで一つの答えに向かってきました。
図工、美術はそれに対して一つのものから複数の答えを生み出す教科でもあります。(場合によっては一つの答えに向かう時もあります)
今までの移転とは違う視点でものを見る。試してみる。ということがすごく大切な時代になっていきます。
だから、この時期に「造形あそび」的な探究に近い授業を行うという目的もあるのです。

紙一枚を渡して、「何ができる?」と聞くと、折り紙をしたり、飛行機を作ったり、丸めたり。
だいたいこんな感じです。
「では、この紙の質感をティッシュのようにしてみてください」というとみんな「???」となります。
ここから探求の始まりです。どうすればティッシュのようなふわふわ質感になるのか。
(この授業は、元 西目高校の黒木先生の実践を参考にさせてもらっています)
擦ったり、揉んだり、叩いたり。あの手この手でふわふわにしようと頑張ります。
時間は8分程度でしょうか。紙の一部がふわふわしてくると、もう止まりません笑
お互いの紙を触り合って質感を試したり、自分の方が高級ティッシュだ!と自慢したり、破れてボロボロになって凹んだりもします。
ここで、「どんな行為をしたのか」を聞き出します。
・揉む・叩く・絞る・擦る・削るなどなど。ここからさらに、「他に紙にできることある?」と聞くと、料理のように、色々な行為が挙げられます。
その言葉を板書し、さらに紙一枚を渡して誰もやらないようなことをやってみようと投げかけます。
それでできたものがこちら。(インスタグラムより)







何かを書いたり読んだりする「紙」だけど、様々な行為によって紙の表情が変容していきます。
材料加工の探求だけど、一つのモノから新たなモノを生み出すという考え方を学ぶことにもつながります。
圧縮パルプを作る強者が現れたり、染めの達人が生まれたり、かなりクリエイティブな時間で楽しすぎます^_^

特に、この質感は面白いです。
くしゃくしゃにした紙に墨を塗り、乾いた後にニスを塗る。そうすると革のような質感に変わります。
紙を重ねていくのにも、ちぎってやるのと、そのままやるのとでは大きく印象が変わります。
生徒同士刺激を受け合いながら、とにかくいろんなことを試すのです。

最後は、紙が変容したものを鑑賞して「受ける印象」を言葉で付箋に書き貼り付けることをします。
コロナの影響もあるので、一度にはできませんが、少人数ごとにグルーピングして行います。
これが靴づくりのサンプルになるということです。
どんな自分になりたいのか、それを表すためにどんな靴の形状にするか、表面処理はどうするか、構想の一助になる、そんなサンプルです。
来週は、靴づくりのメイン、主題の生成と発想・構想です。
どんな自分をあらわすのか、今から楽しみです。